沙耶の唄


概要:Outline

爛れてゆく。何もかもが歪み、爛れてゆく

交通事故で生死の境をさまよった匂坂郁紀は、いつしか独り孤独に、悪夢に囚われたまま生きるようになっていた。
彼に親しい者たちが異変に気付き、救いの手を差し伸べようにも、そんな 友人たちの声は決して郁紀に届かない。
そんな郁紀の前に、一人の謎の少女が現れたとき、彼の狂気は次第に世界を侵蝕しはじめる。

それは、世界を侵す恋。

製品使用:Spec

メーカー名 Nitro+ 推奨環境 P450MHz/64MB
ジャンル サスペンスホラーADV HDD 200 MB以上
発売日 2003/12/26 解像度 800×600・ハイカラー
定価 \4800(税別) DirectX 8.1以上
原画 中央東口 サウンド PCM音源
シナリオ 虚淵玄 音声 フルボイス
音楽 ZIZZ STUDIO 備考 CD-ROM

感想:Comment

出会い

メーカー・原画、そして何と言ってもシナリオライターが大好きなので。
もちろんこの情報をいち早く得るために雑誌を買い込み、万全の体制を整えていました。


グラフィック

同ブランドの「吸血殲鬼ヴェドゴニア」によって一躍有名になった中央東口が原画。
彼の得意とするのは、切り込み版画のような輪郭の濃い絵、つまり凄く格好良い。
しかし今回は、180度変えてきたようで、とてもファンタジー(何が)
非常に○○な絵なので、オプションにいろいろ付いているぐらいだ。
苦手な方はONに、そうでないかたはOFFにしてプレイしよう。


シナリオ

さすがは虚淵。ホラーとしての真髄――パニック(混乱)を上手く描ききれている。
しかも、この作品を出す前に言っていた約束(宣言)をちゃんと守ってもいるのだ。
ちなみに宣言内容の概略は「銃とか剣のプロを出さない」など。
ただ問題はこの作品の読後の感触。宙に浮いた感じがするのは我慢してもらいたい。


サウンド

同ブランドでも有名な音楽製作集団「ZIZZ STUDIO」。
非常に高度な作曲・演奏を行い、ヒットチャートでも我が物顔で通れそうな曲を製作するため、私のお気に入りでもある。
今回も安定したレベルの高さで、安心して聞くことが可能だ。
ただしヴォーカル曲がいまいち乗りこなせていない。
もう一度すぐに聴きたいという曲でもないのだ。その辺で少しランクが落ちるだろう。


システム

ニトロプラスは以前より高度なプログラミングを行っている。
よって今回もOSに負荷をそんなにかけることなく、安定したつくりになっている。
セーブも複数できることが何よりその価値を高めているだろう。
ただし本作は数時間程度で終わるし、選択肢も少ないことから、そんなにいらないのではないかと思う。


エロ

本作はエロが非常に薄い。
そもそも原画家自身が女性の絵を書くことを苦手としているせいもあるが、本作では「ホラー」がメインなため、それほど必要ないのだ。
それにはシナリオライターの力量があり余るところによって、余計に「エロが邪魔」にさえ思えてくる。
だが18歳以上をユーザーに限定してるためもあり、一応あることにはある。
読者の諸君はそれを理解して買っていただきたい。


総合

短いストーリーである。
しかしそこに凝縮されているのは、シナリオライターの挑戦と葛藤、それら全てがあるように思えた。
ホラーという類は「描く」ことよりも「恐怖させる」ことの方が難しいとされる。
文章を「描く」より、文章で「恐怖させる」という意味だ。
この点に関して、この作品は少しオーバーフレームしていることになるのだが、エンターテイメントとして楽しめる域にはある。
非常に高度なテクニックを用いられた完成度の高い作品だ。
だが、ホラーというよりスプラッターのほうが正しいかもしれない。78点。

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